2018年5月2日水曜日

ベース車両。


みなさまGWは如何お過ごしでしょうかコウバ長です。

私は4月中に仕上げたかった車両のクラッチバスケットを取り外すプーラーが

注文から20日間以上に渡って届きませんで改めて別口で発注しつつモヤモヤ全開中です。


さて反論を恐れる必要もなく一言で言わせて頂きましたらボロいビラーゴです。

これから自身で改造していくにあたりまして、基本整備をという事でお預かりしましたが


現物を見ますれば見事な解体屋コンディションでして。


細かいボルトナットやビス類までサビサビですし。


セルダイなのか!?ーと思ったらセルモーター外されているだけだったりしまして


フレームもミルフィーユになっているところがあったりと。

早い話がコレを起こすには極上中古車が楽々買えるだけお金をかけても足りないくらいで

さらに改造したり何やらしていますれば、もう一体いつ乗れるの?

みたいな感じです。

自分でコツコツいじってレストアや改造を行うというのは愉しみ方の1つでして

たっぷりと時間やお金を注ぎ込んで唯一無二の達成感を味わうという

言うなれば究極的に贅沢な趣味と言えるでしょう。

が、実際問題全てを自身でというのが難しい面もありまして

コストや時間の折り合いを上手くつけつつ仕上げて行った方が良いわけで

改造にせよレストアにせよ、ベース車両の程度は良い方が絶対に良い!

というのはポンコツをいじくり回してきた私の見解です。

因みに新車しか乗り継いできていない人が言う「新車が良いよ」という言葉は

ポンコツばかり乗り継いできている人が言う「程度極上」という言葉と同じくらい

私は全く信用しておりませんw

まぁどんだけポンコツでもその車両が自分にとって唯一無二であって

コレじゃなきゃダメだ!という奇特なオーナー様のご依頼にはお応えしておりますが


今回の場合はまず改造するベース車両をきちんと作りましょうと言ったところですので

早い話がベース車両を変えましょうっていうコトです。

と、言いますのも丁度都合よくビラーゴ250 を在庫しておりまして

距離も浅いですし一旦ノーマル車を作ってコツコツ改造していきましょうと

大幅に方向転換する事になりました。

また余談ですが走行距離だけで車両の程度を判断するという基準値ですが

そんなものは数字上の見え方だけの問題でして絶対的に信用できるのは

その車両の現状、でしかないと私は思います。

走行4200キロのポンコツよりも、走行50000キロの私的極上車を選びますね私は。


とは言え在庫のビラーゴ250 は事故による転倒車ですので

フレームのシート取り付け部は衝撃で明後日の方向を向いてしまっている等

直さなければいけない部分も多々あります。

以前に修理させて頂きましたセロー250もそうですが


このようにフレームにダメージを負ってしまった場合は全損扱いとなる事も多いですね。


ここは厚みのあるプレス部品ですのでハンマリングで応力を抜いていくのは困難でして

一旦切開してしまい強度を落としてからフレーム側とシート固定部それぞれを

元の形に復元していきまして。


ビードを削り落としましたら元からある傷の方が目立つ感じですね。

直せるものは直すという精神は大切にしたいところです。


この車両は反対側にもダメージがありまして、左リアショックは無残に曲がっています。

同じくらいの衝撃を受けたであろうフェンダーも当然変形していまして

取り敢えずこの辺の歪みも修正しておこうと思います。


アーチに沿ったプレスまで潰れていますので厄介なパターンですね。。

こうった「強い」部分の修正は順番が本当に大事ですので

衝撃が波及した順に戻していく作業の連続になります。

一般的に凹みと言いますと、凹んだ分だけ何処かが膨らんでいますから

歯磨き粉のチューブを絞るかの如く空気を抜くように修正していきます。


とは言え火を使わずに、つまり絞らずに叩いて直しただけなのですがw

プレスの再現、ー潰れたRの修正としてはこれで必要十分とも言えます。

手練れの板金職人さんですと、ここから更に均し板金を繰り返して

パテが要らない程に修正してしまうのですが、私には無理ですw


後々改造のために取り外されてしまう部品なのですが

ご自身で改造される場合、純正の固定方法ですとか強度、振動対策など

ノーマル状態から読み取れる事は沢山あります。

ので、まずは普通の状態にしておきましょうっていうところです。


ここまで修正してありますので、

パテや塗装にチャレンジしてみるのも良いかもしれませんね♪



タンクは部品取り車に降格した元の車両のものを使っても良いですが

ペイントがラッカー系でガソリンで溶けまくり仕様ですのでやり直してもらうとして

一先ず凹んだ純正タンクでいきましょうという感じです。

その他のダメージを受けたパーツ類は部品取り車から移植していきまして

足回りや駆動系の基本的なメンテナンスに進みたいと思います。

バイクを改造するつもりが、「ノーマル車」を作るという話に飛躍していますが

純正状態を知っておく、という事は

自分でバイクを改造していくうえで結構重要な要素だったりします。

改造の世界では嫌われがちな「ノーマル」という言葉ですが

訳せば「正常」ということです。

アブノーマルが好まれる今日この頃ですが

私はノーマルという言葉が改造の対義語だとは全く思っておりませんで

どのような車両でも、ノーマルな改造車である事が大切だと思っております。

そういう基準の下でプライベーターの方のお手伝いもさせて頂いておりますので

ご理解頂けましたら幸いです。

そんなわけでさらば!